浮気不倫慰謝料を請求するための証拠とは? |大阪天王寺で不倫慰謝料弁護士をお探しなら

浮気不倫慰謝料を請求するための証拠とは?

浮気・不倫の証拠とは?

Q どんな証拠があれば浮気慰謝料の請求はできるのでしょうか。

A 弁護士の回答
不貞行為を立証するための証拠としては、肉体関係を推測させる証拠が必要となってきます。

ラブホテルに出入りをしている写真、動画、性行為を行っていることをうかがわせる写真、探偵事務所・興信所での調査報告書が有効な証拠となります。

したがって、これらの証拠があれば、浮気慰謝料を請求できる可能性が高いため弁護士に慰謝料請求を依頼していくとよいでしょう。
Q SNSやLINEのメッセージで浮気慰謝料の請求はできないのでしょうか。

A 弁護士の回答
SNSでのメッセージや異性と出かけているのみでは直ちに肉体関係を推測させるものとはいえない場合があります。

しかし、ひとつの証拠で直ちに肉体関係を推測させる証拠といえないとしても、他の間接証拠を積み上げることで、不貞行為が立証できることが可能です。

したがって、肉体関係を直接的に立証できる証拠がないとしてもあきらめることなく他の証拠からホテルに言っていること、性的関係を持っていることを立証できるかを検討することが必要となります。

どのような証拠によって請求できるのかを浮気・不倫問題に強い弁護士に相談をしておくとよいでしょう。
Q なぜ浮気・不倫の慰謝料で証拠が大切となるのでしょうか。

A 弁護士の回答

慰謝料を請求すること自体は証拠がなかったとしても事実上行うことはありえます。

浮気をしたことが悪かったとして浮気相手が責任を認めてくれることはあるかもしれません。

しかし、実際に、金銭請求を行った場合には、浮気・不倫を認めないといったことは、残念ながら多くの事案で見られます。

そのため、慰謝料がきちんと認めらえるためには、証拠が大切な役目を果たします。

浮気・不倫慰謝料を請求するためには

浮気・不倫の慰謝料請求は、民法上は不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)となります。

法律では、特定の条件(要件)が認められたときに、特定の結果(効果)が生じるとの判断の枠組みをとっています。

民法709条では、
① 故意 又は 過失 によって
② 他人の権利 又は 法律上保護される利益を侵害 した者は
③ これによって生じた損害を賠償する責任を負う
との条文となっています。

不法行為に基づく損害賠償請求である不貞慰謝料請求をするためには、他人の権利または法律上保護される利益を侵害した加害行為として、不貞行為が存在することが必要となります。

いわゆる不貞行為とは、典型的には、配偶者のある者が、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます。

すなわち、妻又は夫が相手方と性的関係を結んだこと、肉体関係をもったことを指すと考えられるでしょう。

原則として、不貞行為があるといえるためには、肉体関係を持っているかどうかがひとつの判断要素となるでしょう。

肉体関係がなかったとしても加害行為とされることがある。

不貞行為については、肉体関係がなかった場合や肉体関係が認められない事案でも一切の損害賠償請求が認められないわけではありません。

夫婦婚姻関係の平穏を害するような行為や性交類似行為や同棲などについて、婚姻を破綻に至らせる行為として加害行為ということができるでしょう。

■ 東京地方裁判所平成17年11月15日判決

肉体関係を結んだとまでは認められないものの、互いに結婚することを希望して相手と交際したうえで、周囲の説得を排して、血痕させてほしい旨懇願し続け、その結果別居に至り、まもなく離婚するに至った場合には、婚姻生活を破壊したものとして違法な評価を免れず、不法行為を構成するものというべきと判断されました(最高裁平成8年3月26日判決参照)。

東京地裁平成17年11月15日の裁判例では、肉体関係を結んだことが立証されていない以上、不法行為が成立する余地はない旨が主張がなされました。

これについて、婚姻関係にある配偶者と第三者との関わり合いが不法行為となるか否かは、一方配偶者の他方配偶者に多雨する守操請求権の保護いうよりも、婚姻共同生活の平和の維持によってもたらせる配偶者の人格的利益を保護するという見地から検討されるべきであり,第三者が配偶者の相手配偶者との婚姻共同生活を破壊したと評価されれば違法たり得るのであって,第三者が相手配偶者と肉体関係を結んだことが違法性を認めるための絶対的要件とはいえないと解するのが相当であると判断されました。

なお、慰謝料の認容金額としては、70万円が認められました。

証拠をなぜ集めないといけないのか

浮気・不倫慰謝料についてなぜ証拠を集めないといけないのでしょうか。

あくまで当事者での話し合いの中で、損害賠償請求について浮気相手や浮気配偶者が素直に認め、支払ってくる場合には証拠を用意する必要はありません。

やや難しい話となりますが、裁判所は、証拠によって事実と認められた内容により判断を行うため、いくら主張を伝えたとしても証拠がなければその事実を前提とした判断はできないこととなるためです。

不貞行為があったと認定できた場合には、加害行為があるとして損害賠償責任を負うことがあります。

現実には不貞行為があったことが間違いないといくら主張してみたところで、証拠により加害行為である不貞行為の認定ができなければ損害賠償責任を負わないものと判断されます。

しかし、事実関係に争いがある場合には、裁判所において、こちらが主張する加害行為を事実として認定してもらわなければなりません。

日本の民事裁判、民事訴訟では、事実を認定するための証拠資料は、原則として当事者が提出した証拠に限られるとされています。

これは、あくまで裁判所は公平な判断を行い、当事者の紛争解決を行うものであるため、裁判所が真実を職権で探知して証拠を集めて判断を行うのではなく、当事者の責任において証拠は集めるべきとの考え方によっています。

したがって、裁判所が不貞行為があると認定できる程度(通常人が疑いをさしはさまない程度に)に真実性だと確信できる証拠を当事者が用意をしなければならないのです。

不貞行為においては相手方が争ってきたときに備えて、証拠により不貞行為をどこまで立証できるかどうかが大切なポイントとなります。

浮気・不倫で請求するための証拠とは

不貞行為と立証できるための証拠とはどのようなものを指すのでしょうか。

端的には肉体関係を持っていることを推測させるものをいいます。

しかし、仮に肉体関係があるとはいいきれないものの、夫婦婚姻生活の平穏を害するレベルの事実を立証できる証拠があった場合には、一定の損害賠償金が認められることがありえます。

① 写真

ラブホテルに出入りしている写真、浮気相手の裸の写真、旅館で同じ部屋で寝ている写真などは肉体関係をもっている蓋然性が高いものであるとして不貞行為の証拠といえるでしょう。

単に女性とのツーショットであった場合には内容次第ではありますが、それ単独では直ちに肉体関係が認められないことがあります。

② 動画

ホテルに入っていく動画、同じ家で同棲をしている動画、性的関係を持っている動画などは肉体関係をもっていることを裏付ける不貞行為の証拠ということができるでしょう。

動画については、女性と交際をしていることを基礎付ける証拠とすることができる場合には、肉体関係として利用できるかを検討することが必要となるでしょう。

③ 肉体関係を推測されるメッセージ

LINEやSNSでのメッセージのやり取りについては、直ちに肉体関係を持っていることを立証できるわけではありません。

しかし、ホテルに泊まる、泊りがけの旅行に出かけるメッセージのやり取りがあった場合には、肉体関係があることを推測することができる証拠となるでしょう。

④ GPSデータ

GPSのデータで、ホテルに長時間いる場合などは、配偶者が肉体関係を持っていることを一定程度推測させる証拠といえるでしょう。

しかし、GPSのデータのみでは相手方が誰であるのか、人と会っていることを立証ができても、肉体関係を持っていることまで言えないことがありえます。

そのため、他の証拠により肉体関係を推測できるよう証拠を集めていくこととなるでしょう。

⑤ 録音データ

肉体関係をしている場面や肉体関係を認めている旨の録音データは不貞行為の証拠となることがあります。

もっとも、単に会っていることを認めているに過ぎない録音データであったときには、不貞行為として認められにくいこととなります。

⑥ 探偵事務所・興信所の調査報告書

探偵事務所・興信所の調査報告書については、ホテルで相手と会っている日時を特定し、写真を撮影してくること、相手の住所地を特定するなどで不貞行為を立証するうえで有力な証拠となることがあるでしょう。

調査報告書についてはやや費用がかかるため、必要性があるのかどうかを弁護士に相談をしておくとよいでしょう。

⑦ 妊娠・堕胎を証明できる資料

配偶者が妊娠・堕胎をしたことがあった場合には、浮気・不倫を認める証拠となることができます。

東京地方裁判所平成19年9月28日判決
妊娠およびその中絶手術に当たり、手術同意書に署名押印し、胎児に名前を付けるなど、通常胎児の父親でなければ取らない行動をしたと認められるなどの事情から不貞行為が立証できるとの判断をした事案があります。

他にも戸籍による認知、住民票での同居、ホテルのクレジットカードの使用履歴、手紙や日記など様々な証拠により肉体関係があったことを推測できる場合には、不貞行為が立証できることがありえます。

まとめ

不倫慰謝料を請求するためには、証拠が非常に大切な役割を果たしています。

浮気・不倫の慰謝料を請求したいと考えられている場合には、慰謝料に強い弁護士に相談をしていきましょう。

天王寺総合法律事務所では、不倫慰謝料について数多くの案件に取り組んでおりますので、ぜひお気軽に弁護士にお問合せください。

参考記事はこちら

■ 浮気相手に慰謝料請求したい

■ 夫に慰謝料請求したい

■ 浮気・不倫慰謝料の流れ

 

著者情報

山本 達也

(天王寺総合法律事務所 代表弁護士)

大阪弁護士会所属。立命館大学法学部卒・神戸大学法科大学院卒。数多くの浮気不倫問題、離婚問題を取り扱っている弁護士。関西地域にて地域密着型法律事務所を設立。弁護士事務所のHPはこちら。

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