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配偶者が行方不明となった場合には離婚をすることはできるのか?

配偶者が行方不明となった場合には離婚をすることはできるのか?

 

事故で行方不明となった、借金で行方をくらませたなど事情は様々ではありますが、配偶者が行方不明となったとき、今後の再婚のことや生活のことを考えて離婚をするといったことを検討するといった場面はありえるでしょう。

 

では、パートナーが行方不明となったときに、はたして離婚をするといったことはできるのでしょうか。このコラムでは、行方不明といった場面と離婚といった場面についてどのようにして離婚をしていくのかといったことを解説させていただきます。

夫婦の破綻について

1 民法上の離婚原因とは

 

民法770条には離婚原因が列挙されており、夫婦は次に掲げる場合に限って、離婚の訴えを提起できるとして、離婚の裁判が提起できることを示しています。

 

① 配偶者に不貞な行為があったとき:配偶者以外の者との肉体関係を結ぶこと等

 

② 配偶者から悪意で遺棄されたとき:正当な理由なく民法752条の同居・協力・扶助義務の履行をしないこと等

 

③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき:生死不明については単なる行方不明とは区別され、生存の証明も死亡の証明もできない場合をいい、生存が推定される場合には生死不明とはならないため、所在不明のみならず、本院の年齢、性格、健康状態、所在不明に至るいきさつ、その後の配偶者や親族の対応などを総合的に考慮して判断がなされるとされます(東京地方裁判所昭和24年4月27日判決)。

 

④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき:統合失調症、躁うつ病などの高度の精神病として、精神障害の程度により婚姻の本質というべき夫婦の相互協力義務、ことに他方の配偶者の精神的生活に対する協力義務を十分に果たし得ない程度に達してるかによって判断がなされる(長崎地裁42年9月5日判決)。

 

⑤ その他婚姻を継続し重大な事由があるとき婚姻関係が破綻し、回復の見込みがない状態に至っていた場合として、婚姻中の当事者双方の行為、態度、婚姻継続の意思の有無、子の有無・状態、双方の年齢、別居の有無、その期間の長短等婚姻に現れた一切の事情を考慮して客観的に判断されます。

 

民法上の離婚原因については、単に主張としているのみならず、証拠によって立証をすることができることが必要となります。

 

したがって、行方不明といった自体についてどのような事項を立証することができるのかといった点がポイントとなるでしょう。

2 失踪宣告制度について

 

また、民法において民法770条に基づくもののほかに、失踪宣告という制度を利用し、婚姻関係を解消するといった方法も存在します。

 

失踪宣告制度とは、不在者が一定の期間生死不明となっている場合に、その者を死亡したものとして扱う制度となります。利害関係人の申立てによって家庭裁判所が失踪宣告の申立て行うことに審理を行い、失踪宣告がなされると、その不在者が死亡したものとみなされるため、婚姻修了の効果を得ることができます(民法31条)。

 

【申立人】 利害関係人(不在者の配偶者、相続人にあたる小野、財産管理人など)

【申立先】 不在者の最終の住所地または居所地の家庭裁判所

【必要書類】 ① 申立書

② 不在者の戸籍、戸籍の附票

③ 失踪を称する資料

④ 申立人の利害関係を証明する資料(戸籍謄本など)

⑤ 収入印紙800円

⑥ 官報広告費4816円程度、予納郵券(各家庭裁判所での所定金額)

などが必要となります。

 

失踪宣告を行うためには

① 7年 一般失踪(不在者の生死が7年間明らかでない場合)(民法301項目)

② 1年 特別失踪(死亡の原因となる危難(戦争、船舶の沈没など)に遭遇した者の生死がその危難の去ったときから1年間明らかでないとき)

といった種類があります。

 

相続関係における対応を行うために、失踪宣告を行って、婚姻関係と共にひとつの区切りを行う意味で失踪宣告を利用していくこともあるでしょう。

 

3 行方不明の場合に離婚できるかはケースバイケース

 

では、行方不明の場合には離婚をすることはできるのでしょうか。

 

行方不明の理由、経緯によって離婚訴訟において主張すべき事情は変わってくることにはなるでしょう。

 

(1)3年以上の生死不明となるのか(民法770条1項3号)

 

まず、生死不明となるのか(民法770条1項3号)といった点についてですが、生死不明というものが単なる行方不明ではなく、生存の証明も死亡の証明もできない場合をいい、生存が推定される場合には生死不明とならないことを踏まえると、単なる行方不明では、直ちには、770条1項3号の要件を満たすとはいえないことになるでしょう。

 

一方で、所在不明が長期間にわたる場合には、それ自体から生死不明であると生死不明と判断される場合があるとされています。このような事情によって離婚が認められる場合があるかは事案によってケースバイケースとなるでしょう。

 

通常離婚をする場合には、調停前置主義が取られているのですが、被告が生死不明である場合には、調停を前置することなく、公示送達という方法によって、離婚訴訟を提起することができることとなります(家事事件手続法257条2項但書)。

 

(2)悪意の遺棄となるのか(民法770条1項2号)

 

次に、悪意の遺棄となるのか(民法770条1項2号)が問題とはなってきます。

 

悪意の遺棄とは、正当な理由なく、民法752条の同居・協力・扶助義務を履行しないことをいい、悪意とは、婚姻共同生活の廃絶を企画し、又はこれを容認する態度があるのかどうかといった点が問題となります。悪意には、単に遺棄の事実ないし結果の発生を知っているとう法的な意味のみならず、社会的、倫理的非難に値する要素があるのかどうかが必要となります。

 

行方不明となった経緯が社会的、倫理的非難に値するような遺棄とまでいえるのかを検討することとなります。仕事での単身赴任など正当な理由があって同居をすることができない場合には、悪意の遺棄には該当しないことになります。遺棄の程度としては、例えば6か月程度継続しているなど言っていいの期間が継続していることが必要とはなってきます。

 

したがって、行方不明となった場合の経緯なども立証できるよう準備をしていくことがあり得るでしょう。また、行方不明となっていることについて家庭裁判所に伝えるために、警察において捜索願を出しておくなど公的に確認できる記録を残しておくとよいでしょう。

 

3)婚姻を継続しがたい重大な事由(民法770条1項5号)

 

行方不明の態様によっては、婚姻を継続し難い重大な事由として、婚姻関係が破綻し、回復の見込みがない状態であると評価できる場合はありえるでしょう。婚姻を継続しがたい重大な事情については客観的に判断がなされるため、証拠によって行方不明の状態を立証できることが必要となるでしょう。

 

4 離婚をするための手続きの流れ

 

離婚をする場合には、本来は、協議離婚、調停離婚などの話し合いの場を経てから裁判離婚として裁判所での離婚を行っていくことになります。

 

しかし、配偶者が行方不明となっている場合には、協議離婚や調停離婚を行おうにも、裁判所からの呼び出しをすることができません。そのため、離婚訴訟を提起するにあたって、裁判所が事件を調停に付することが相当でないときと認めて盛られるように上申書を提出するなどを行うことになるでしょう。

 

(1)公示送達制度とは

 

裁判を行うためには訴状を相手方に送達をするといった作業を行う必要があります。

しかし、行方不明の場合には、相手方の住所地が不明であるために相手方に訴状を送達をすることができません。

 

一方で、相手方の所在が不明であるからといって裁判を受ける権利が害されることは妥当ではなりません。そこで、相手方が所在不明である場合に、住所地調査などを行い、一定の期間、裁判所の掲示板に掲示をすることによって、本人に送達をしたことと同一の効力を上梓させる送達制度があります。

 

離婚訴訟においても、相手方の訴状を送達することは必要となりますので、公示送達を利用するために、住所地調査報告書などを作成してもらい、行方不明であることなどを資料を付けて裁判所に説明していくこととなります。

 

(2)離婚原因について証拠によって立証ができるように準備を行う。

 

公示送達を行って法廷を開いたとしても、こちらの主張が直ちに認められるわけではありません。離婚原因に該当する行為が存在することを実際に証拠を集めておき、裁判官が民法上の離婚原因に該当すると認定されたときに、離婚を認める判決が出されることとなります。

 

【訴状の提出先】 原則として、夫または妻の住所地の家庭裁判所

離婚調停を行った家庭裁判所がある場合には、家事調停を執り行った家庭裁判所

【必要書類】  ① 訴状

② 戸籍謄本

③ 離婚原因を基礎づける証拠

【収入印紙・予納郵券】

 

離婚訴訟を提起するといった場合には、訴訟手続きとなるために、弁護士を入れて手続きを行うことをお勧めいたします。

 

5 まとめ

 

配偶者が行方不明となった場合には離婚をすることができるのかについては、離婚原因を立証することができるのかどうかによって変わってくることにはなります。また、離婚原因を証明するための証拠のみならず、公示送達、住所調査報告など行わなければならない手続きなどもあります。事案によっては失踪宣告の申立てを行うことが適切であるといった場合もあります。

 

離婚問題でお困りの場合には弁護士にご相談、ご依頼を検討していくとよいでしょう。

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