不貞慰謝料の合意書には何を書けばいいの? |大阪天王寺で不倫慰謝料弁護士をお探しなら

不貞慰謝料の合意書には何を書けばいいの?

不貞相手に慰謝料を支払ってもらう約束を取り付けた

合意書を作成した方がいいと聞いたが何を書けばいいのか分からない

「公正証書」は作るべきか知りたい

 

不貞相手に慰謝料を請求したところ,すんなり不貞を認めて慰謝料の支払いに応じるというケースもないわけではありません。また,交渉の結果なんとか合意が成立したという場合もあるでしょう。

不貞相手にきちんと慰謝料を支払ってもらい,その他の約束も守らせるために「合意書」という書類を作成するということまでは,一般的に知られているのではないでしょうか。しかし,いざ合意書を作成するとなると,具体的に何を書けばいいのか分からず法律相談に訪れる,という方も多いようです。

ここでは,不貞慰謝料の合意書に記載されることが多い条項や,作成の注意点等をお話ししていきます。

 

1.合意書の記載事項

合意書を作成しても,内容が不十分であれば後から慰謝料の支払い等について紛争を蒸し返されるかもしれません。また,インターネット上のひな形をそのまま利用したところ,本来望んでいなかった内容についてまでいつのまにか合意してしまっていた,という結果になる可能性もあります。

そこで,一般的に合意書に記載されることが多い条項や,記載するべき条項について,その意味もあわせてご説明していきます。

 

①不貞の事実を認める文言

まず,何のために合意書を作成するのか,何の慰謝料として金銭を受領するのかを明らかにするため,特定の人の間で不貞の事実があったことを明確に記載しましょう。

万が一不貞の事実を記載していなければ,後に慰謝料の支払いについて紛争が蒸し返された際,「不貞の事実はなかった」と言い訳されるかもしれません。このようなリスクに備え,「この合意書は,不貞行為について解決を図るものだ」と分かるような記載を残す必要があるのです。

不貞相手が合意書の作成に応じてくれるか分からないという段階では,合意書作成の前に,別途「誓約書」や「念書」という形で,不貞行為を認める文言の入った書類を作成してもらうのも1つの方法です。

 

②慰謝料についての取り決め

合意書を作成する最大の目的は,不貞相手に反省させたい,そのために慰謝料をきちっと払ってもらいたい,という点でしょう。ですから,合意書を作成するにあたって慰謝料に関する取り決めは大切です。

合意書には,慰謝料の額,支払い方法,支払い時期等を記載します。

銀行振り込みで支払ってもらうのであれば振込先の口座を記載します。また,現金で手渡しするという方法も考えられますが,受け渡しの記録が残らないため,払ったかどうかの証拠を残すことが困難です。そのため,現金での授受はお勧めしませんが,どうしても現金で受け取らなければならない場合には,領収書の作成等を忘れないようにしましょう。

また,不貞相手に分割で慰謝料を支払ってもらう場合には,支払い時期にも注意しましょう。毎月月末にいくらずつ支払ってもらうのか,明確に定めておくことが大切です。

 

③求償権の放棄

不貞行為は,「共同不法行為」に分類されるものです。生じた損害について,不法行為を行った2人ともが責任を負わなければなりません。

そのため,配偶者の不貞相手にのみ慰謝料を請求しても,その後不貞相手から配偶者へ「あなたも責任を負って」と請求されるかもしれません。

 

たとえば,不貞で被った損害が100万円だったと仮定しましょう。本来この慰謝料は,不貞行為を行った2人で負担するべきものです。そのため,不貞相手から100万円を支払ってもらったとしても,後に不貞相手から配偶者へ,「あなたの負担分も私が払ったのだから,その分を返して」と請求される可能性があるのです。これが,「求償権」というものです。不貞行為を行った2人の責任が同程度だとすれば,配偶者は不貞相手に対して,50万円を返さなければなりません。

ご夫婦の家計が同一なのであれば,せっかく慰謝料として100万円を支払ってもらっても,求償権を行使されると,50万円が家計から出ていくことになります。結局,家計に残るのは50万円だけということになりますから,求償権を行使されるのは避けたいものです。

 

そのため,交渉段階で求償権を行使しないことを約束してもらえるのであれば,合意書に「求償権を放棄する」とか「求償権を行使しない」という文言を必ず入れておきましょう。この文言がなければ,あとから求償権を行使される可能性が高まります。

 

④接触禁止条項

婚姻関係を継続するので,不貞相手が今後も配偶者と接触することは避けるべきです。仮に本当に肉体関係がなくなるのだとしても,接触すること自体気持ちの良いものではないでしょう。

そのため,不貞相手と配偶者の接触を禁止する条項を定めることは大切です。

直接の接触だけでなく,メッセージアプリやインターネット上での接触,手紙等文書のやり取りの禁止も忘れてはいけません。

 

⑤口外禁止

仮に不貞相手が配偶者の職場等に不貞のことを話してしまうと,配偶者は職場に居づらくなるでしょう。今後も働き続ける予定だった場合でも,仕事を辞めざるを得なくなるかもしれません。

また,自宅の近隣住民に噂が広まると,最悪の場合その場所に住み続けることも難しくなる可能性があります。

 

不貞の事実を外部に話されると,配偶者だけでなく,請求した方自身の生活に何らかの影響が及んでしまう可能性があります。そのため,不貞や合意の内容について第三者に話したりSNSで拡散したりされないよう,口外禁止の条項を設けることは大切です。

 

⑥違約金

接触禁止や口外禁止の条項を設けても,約束が守られる保証はありません。合意があるからと言って,強制的に接触や口外を阻止する手段はないのです。

そこで,これらの約束が破られた場合には違約金を支払う旨の条項を入れることで,不貞相手にとっては心理的な抑止力になるでしょう。

違約金条項があるからといって,再度接触を図った場合に強制的に金銭を獲得できるわけではありません。しかし,違約金条項に基づいて金銭の請求をすることは可能なのです。約束を破れば違約金を支払うと自ら約束している以上,不貞相手が違約金請求のリスクのある行為に出る可能性は低くなるでしょう。

 

⑦清算条項

合意書の条項で忘れてはいけないのが清算条項です。

清算条項とは,「合意書に定める以外に今回の不貞に関して義務も負わないし権利もない」ということを合意する当事者が互いに確認する条項です。

清算条項がなければ,合意書があっても「この合意書で紛争は解決した」という証明にはなりません。そのため後々「あの合意の慰謝料は支払いすぎた」とか,「定めた違約金が高すぎる」等と言われ,紛争がいつまで経っても終わらない,という可能性があるのです。清算条項を入れることで,忘れた頃に慰謝料の減額交渉をされる等の紛争の蒸し返しをきちんと防止しましょう。

 

⑧サインは必須

当然ですが,作成した合意書にはきちんとサインしてもらいましょう。

住所・氏名まできちんと自署してもらうことが大切です。サインがなければ一体誰と何の合意をしたのか分かりませんし,自署ではなくゴム印等であれば,後で相手方に「私は押していない」と言い訳をされるかもしれません。

サインがない以上,合意が成立したとはみなされませんので,署名は必須ですし,可能であれば押印もしてもらうと良いでしょう。

 

2.合意書の内容はなんでも自由に決めていい?

よく「合意書に書いてはいけないこと等はありますか」と聞かれることがあります。

合意書は,当事者がお互いに納得して作成する書類ですから,当事者間で合意ができている以上,何を書いても基本的には自由です。

たとえば,配偶者と撮った写真は全て消してほしいとか,配偶者から渡したアクセサリー類を返してほしい等,不貞関係を清算するための条項を設けることが考えられます。

ただし,内容によっては定めた条項の効力を否定される,つまりせっかく定めた合意書の条項が無効になってしまうこともあるため注意が必要です。たとえば,慰謝料や違約金が法外な金額だった場合や,到底実現できそうもない内容を含んだ条項を定めた場合等です。

特殊な条項を定めたいけれど問題がないのかという不安をお持ちの方は,弁護士等専門家に相談してみる方が良いかもしれません。

 

3.慰謝料を分割で支払ってもらう場合の注意点

⑴期限の利益喪失文言

分割で慰謝料を支払ってもらう場合,仮に支払いが滞るとどうなるのでしょうか。特に定めがなければ,3か月後に少し支払ってもらい,また支払いが滞り,5か月後にまた少し支払ってもらう…等,いつまでたっても合意書に定めた慰謝料全額の回収ができなくなってしまいます。

そこで,たとえば「2回以上支払いを怠った場合は残額を一括で支払う」という期限の利益を喪失させる文言を合意書に加えることが考えられます。この文言があると,既定の回数以上支払いを怠れば,「分割」という「期限の利益」を失うことになりますから,一括での請求が可能になるのです。

 

⑵公正証書の作成

合意書に期限の利益喪失の文言を入れており一括で請求できたとしても,実際に相手が一括で支払ってくれるという確証はありません。むしろ,分割での支払いも怠っているくらいですから一括で支払うことは不可能に等しいでしょう。

そこで,分割での支払いが滞る場合に備え「強制執行を承諾します」という文言が記載された公正証書を作成しておくことが大切です。

公正証書は判決文と同様の効果を有します。公正証書の中に,債務者である不貞相手が強制執行を受諾していることが分かる文言があれば,仮に将来慰謝料の支払いが滞っても,別途手続きは必要になりますが,訴訟等を提起することなく強制執行を行うことが可能になります。

不動産や車,預貯金の口座等を把握していれば,これらを差し押さえることができます。また,職場を把握しているのであれば,給料の一部を差し押さえることも可能です。

不貞相手も,公正証書を作成すれば将来給料等を差し押さえられるリスクがあると分かっていますから,プレッシャーとなり,きちんと分割での慰謝料を支払ってくれるでしょう。公正証書の作成は,不払いのリスクに備えるだけでなく,間接的に慰謝料の支払いを強制するという効果も持ち合わせているのです。

なお,合意書を作成した後に「公正証書を作成するなんて言っていない」等と揉めないためにも,合意書の中に「強制執行を承諾する文言が入った公正証書を作成する」旨の条項を設けておくと良いでしょう。

 

4.ご自身で交渉する際の注意点

ご自身で合意書を作成しても,後に合意書の効力を争われてしまうと紛争が長引き,元も子もありません。例えば,脅されてサインさせられた,脅迫されたから取り消しだ,等と言われて合意書の効力を争われる可能性もあるのです。

そのため,交渉する場所や交渉の態度には注意が必要です。

 

自宅に招いて密室で交渉をすると,脅迫されたと言われるリスクが高まります。直接接触するのであれば,半個室になっている飲食店等が無難かもしれません。

配偶者と不貞した相手と対峙するのですから,ついカッとなって口調が荒くなってしまうのは仕方ありません。ですが,場合によっては脅された,恫喝された等と言われかねませんから,できるだけ冷静に対応するのが良いでしょう。

また,脅迫していないことを証拠として残すためにも,会話内容の録音を取っておくことも有効な手段です。

 

5.まとめ

慰謝料について合意が成立したら合意書を作成するべき,という認識は一般的になりつつあります。しかし,その内容については多岐にわたっており,何を書くべきか迷ってしまうのではないでしょうか。

合意書の内容に不備があれば,合意の通りに慰謝料を支払ってもらえなかったり,その後に蒸し返されて再度交渉するはめになったり,リスクは付きまとってしまいます。合意書は,相手の反省を促すため「作成すること」それ自体に意味が場合もあります。ですが,きちんとけりをつけるためにも,大切なのはやはりその内容です。

どの様な条項を定めていいかお悩みであれば,是非一度弁護士にご相談ください。

 

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