浮気と親権の決め方、親権者決定の基準、方法とは? |大阪天王寺で不倫慰謝料弁護士をお探しなら

浮気と親権の決め方、親権者決定の基準、方法とは?

親権者を定める基準

 

浮気、不倫があった場合には、親権はどのように決まるのでしょうか。

不倫をしたような相手には親権を渡したくないと思うことはよくあることですが、必ずしも不倫の事実をもって親権者としての適格性が否定されるわけではありません。

そこで、このコラムでは、浮気や不倫があった案件で、親権者の指定・決定がどのようにして決まっていくのかを解説させていただきます。

アバター (疑問)
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相手方が浮気をしていて離婚をしたいのですが、親権はとれるのでしょうか。

不倫があった事実のみで直ちに離婚で親権が取得できるわけではありません。

子どもの福祉、利益の観点から、子どもの監護の継続性、意思、監護能力などを踏まえて、親権者としてふさわしい旨を主張していくことが大切となるでしょう。

山本弁護士
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不倫とは何か

 

まず、不倫とは何かについて確認しておきましょう。

民法において不倫の定義は定められているわけではありません。

法律では裁判上の離婚に関する規定を設け、一定の理由がある場合に離婚の訴えが提起することを定めています。

そして、民法770条1項1号には、配偶者に不貞な行為があったときには、離婚の訴えを提起できるとしており、裁判などで問題となる不倫とは、不貞な行為が問題となっていると考えられるでしょう。

不貞行為とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいうと解釈されています(最高裁判所昭和48年11月15日判決)。

このような不貞行為については、一時的なものであるか、継続的なものであるかは問われないこととされています。

過去に一時的な不貞行為があった以後に別居や離婚までに期間がある場合には、不貞行為を宥恕して婚姻関係を継続していたといえるのかが争点となることはありますが、他の離婚原因と合わさって、婚姻関係が破綻するに至っていた場合には、裁判上での離婚ができるとの判断がなされることがあるでしょう。

不貞行為により離婚する場合に親権者の定めは影響をするのか

 

では、性的関係や肉体関係を伴う浮気や不倫があった場合には、親権者を定めるにあたっては影響がするのでしょうか。

 親権とは何か

 

親権とは、未成年の子が社会人として生活できるよう養育していくための権利と責務のことをいうものと考えられています。

これらには大きく、

① 身上監護権 未成年の子を監護・養育をしている権利義務、居所指定権、懲戒権、職業の許可権、営業の許可権などが含まれています。

② 財産管理権 未成年の子の財産に関する法律行為の法定代理権、法律行為の同意権・取消権があります。

があり、親権者は子どもの利益、福祉のために、子どもの監護や養育、教育を行ったり、財産を管理していくことをしなければならないことになっています。

親権は子どもに対する権利であると同時に、子どもの利益、福祉のために適切な行為をしなければならないという責任を含んだものであるといえるでしょう。

 親権者を定める場合の基準とは

 

以外に思われるかもしれませんが、必ずしも不倫をしていたかどうかと親権者を誰と定めるのかについては、大きな関係性があるわけではありません。

誰が親権者となることが子どもの最善の利益となるのかについては、
監護の継続性があるのか
子ども意向はどのようなものであるのか、子どもの年齢
・親の生活状況、親に監護の能力があるのか、監護補助者はいるのか
・子どもに対する愛情、親和性はあるのか
・経済状況、住居環境は適切なのか
・子どもの環境への適応しているのか
・きょうだいとの関係はどのようなものであるか
など事案に現れた諸般の事情を総合的に考慮して決めていくとされています。

ひとつの指針として過去の裁判例は下記のような事情を考慮しているのではないかと指摘がされています。

親権者を定める基準

① 子ども意思

 

子ども意思  : 子どもの年齢が15歳以上である場合には、家庭裁判所は、未成年者の陳述を聴くこととなっています(家事事件手続法169条2項)。

15歳未満であっても、家庭裁判所調査官の調査によって年齢、発達の程度に応じた聞き取りがなされ、子ども意思が大きな要素となるでしょう。

② 監護の継続性

 

監護の継続性 : 子どもの主たる監護者として監護、養育をしてきたことは親権者を決める上で大切な要素となってきます。

これは、子どもの心身の安定を図っていく上で環境はできる限り変えないほうがよいこと、子どもと精神的・情緒的な結びつきが大きいほうが親権者として適切であるとの考え方によります。

もっとも、子ども連れ去りなどの問題が生じる危険性があるため、監護に至った経緯が違法な子どもの奪取であった場合には、親権者として適格性を欠けるなどと判断されたり、子の引渡しなどを保全で求めていくことが必要な場合があります。

③ 母子優先の原則

 

母性優先の原則 : 乳幼児期においては、母親が養育監護をするほうが適切であるとの考え方が有力とされていました。

家族関係の変化から必ずしも現在でも母性を優先させるべきかには争いがあるおのの、乳幼児期の子どもの監護を行えるのかをより実質的に判断がなされることとなるでしょう。

④ 兄弟姉妹不分離

 

兄弟姉妹不分離 : 兄弟姉妹については、分離させることによる影響を避けるために、できる限り分離すべきではないと考えられています。

もっとも、未成年者の年齢が高い場合などによっては、子ども意思などを踏まえ、柔軟な判断がなされることとなるでしょう。

 

⑤ 婚姻関係破綻の有責性

 

婚姻関係破綻の有責性 : 離婚に至る有責性の内容によっては親権者としての適格性で問題となることがありえます。

不貞行為を行っていたことによって、子の養育が疎かになっている事案など婚姻関係を破綻させる原因が子どもの福祉、利益に反するといえるか、親権者としての適格性に支障があるために、親権者として認めるべきではないとの考え方が取られることがあります。

必ずしも不貞行為があったことのみで、親権者として適格性がないと判断されるわけでない点には注意が必要となります。

これは、不貞行為は、配偶者との関係では貞操義務に違反し、婚姻関係を破綻させるものであっても、子どもとの関係において、親権者としての適格性を欠くことを推認させるものとはいえないためです。

下記のような高裁判決では、子どもへの利益などを実質的に考慮して、不倫を行った側を親権者として指定をしました。

高裁判例(東京高裁昭和54年3月27日判決)では、別居後他の男性と交際を続けている妻(不貞行為を行った者に対して)を親権者と定めた事案が存在します。

・これまで、安楽に流れ、現実的な生活基盤を確立する責任を果たそうとする意欲が父親側はみられなかったのに比べ、
・母親側は、薬剤師の資格を生かし、苦労しながら二児を今日まで育て上げてきており、二児はともに心身とも順調に成長しているものと認められることから、
・今後も二児の監護養育を果たすことを期待するに足りる生活力と子供に対する配慮及び責任感があるものと認めることができる。
・離婚が成立していない現在の段階においては、当事者の関係が不倫の非難を免れないものがあるにしても、二児の年齢をも考慮すると、不倫をしていたからといって直ちに二児を母親のもとから引き離し、父親の親権とすることは望ましくない
として、不倫を行った母親を親権者と定めた事案が存在します

浮気・不倫の案件であったとしても、子どもの利益、福祉の観点から、誰を親権者とするのかを子ども意思・監護の継続性などを考慮して決めていくこととなるでしょう。

不倫をしていた事実のみではなく、不貞行為をしていたことが子どもの福祉に反するといえる事情として考慮できるのかといった点がポイントとなるでしょう。

 親権者を決めずに離婚だけを先行させることはできるのか。

 

 離婚時には親権者を決めないといけない

 

離婚だけを先行させ、あとでゆっくりと親権者を決めればよいと考える方もおられるかもしれません。

しかし、親権者が定まっていない場合には、子どもの利益の観点から大きな支障が生じる可能性があります。

そのため、離婚にあたっては協議離婚や裁判離婚のいずれの場合であっても、親権者を定めてから離婚をするといった手続きが取られています。

離婚をするにあたっては、親権者を誰とするのかを定めなければならず(民法819条1項)、協議離婚を行う際に離婚届には親権者を定める欄が存在します。

裁判で離婚する場合には、裁判所は父母の一方を親権者として定めることとなっています(民法819条2項)。

多くの場合には、離婚時に協議離婚においてどちらを親権者として記載をするのか、夫婦関係調整調停、離婚訴訟において親権者をどちらと定めるのかにおいて親権者を誰とするのかを問題とすることとなるでしょう。

※ 離婚後の出生の子どもについて親権者を定める場合

① 協議 ⇒ ② 調停 ⇒ ③ 審判

なお、離婚をした後に子どもが生まれたような事例においては、離婚時には親権者を定めることは事実上できないため、民法819条3項では、原則として親権は、母が行うこととなっています。

そして、子の出生後に、父母の協議により父を親権者と定めることができ、これらの協議が整わない場合には、親権者指定の調停・審判において、親権者を定めることとなります。

 一度決めた合意を変更することは難しい

 

一度、親権者が父母ときまった後には、家庭裁判所での親権者変更の調停・審判をしなければ、親権者を変更することはできません(民法819条6項)。

親権者変更が認められる場合は、事情の変更によって親権者の親権の行使が困難又は不適当となって子ども利益のために変更が必要となるような限られたケースとなるため、親権者の定めは慎重に行うほうが望ましいでしょう。

きちんとした話し合いを行い、場合によっては弁護士に依頼をして、離婚協議書を作成する、離婚公正証書を作成するなどを行い、離婚届を提出するなどしっかりとした対応をすることをオススメ致します。

親権者を定める手続きとは

 

 協議離婚においては親権者を自由に定めることができる。

 

父母は話し合いによって離婚をする場合には、親権者を当事者の合意でさだめることができます。

あくまで当事者での話し合いで親権者を決めることができるために、父母のどちらが親権者となるのかを決めることができるため、不倫をしていた事実などを考慮し、どちらがふさわしいのかを話し合っていくことはあり得るでしょう。

親権はあくまで子どもの利益・福祉に叶うものでなければならないため、しっかりと親権を使うことができる者が親権者となることが望まれます。

 

 協議が整わない場合には、調停・判決

 

離婚において協議が整わない場合には、調停によって協議を行っていくこととなります。

調停においては当事者の話し合いによって決まっていきますが、家庭裁判所調査官により子ども意思や環境による調査などがなされることがあります。

離婚裁判で決まる場合には、家庭裁判所調査官の調査報告書や当事者が親権者として適格性を主張・立証をしていくこととなるでしょう。

 

 まとめ

 

浮気・不倫に関わる事案において、離婚が紛争化することはよくあることです。

親権については、浮気・不倫の際に冷静に話し合いができずに離婚届にすぐにサインをしてしまうなどの対応をされてしまうことがあるかもしれません。

しかし、親権者、養育費、面会交流、財産分与など離婚において適切に対応をすることが必要となります。

そこで、弁護士に相談をして、離婚協議書の作成、公正証書の作成、離婚調停、訴訟などの適切な方法を探していくとよいでしょう。

天王寺総合法律事務所では、大阪天王寺で浮気・不倫に関する案件について丁寧にサポートをさせていただいておりますので、ぜひお気軽にご相談・ご依頼ください。

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