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【大阪天王寺の弁護士が解説】婚姻関係破綻の法理とは何か【判例】

婚姻関係の破綻の法理とは

【判例】婚姻関係破綻の法理とは何か

夫婦の破綻について

慰謝料請求を行っていく中で、婚姻関係がうまくいっていなかった、婚姻関係が破綻しているとの主張がなされることがあります。

このような主張は、不貞行為に基づく慰謝料請求において通用するのでしょうか。

この記事では、婚姻関係破綻していたといった場合に、不貞行為に及んだ場合には、損害賠償責任を負うのかどうかについて解説させていただきます。

婚姻関係が破綻していた場合には、損害賠償責任を負わないとききました。どのような場合には、認められるのでしょうか。
最高裁平成8年3月26日判決では、婚姻関係が破綻したいたときには、損害賠償責任が認められないとされます。

長期間の別居など、客観的・外形的に、婚姻関係が破綻しているとは、厳格に判断されているため、弁護士とよく相談しておくとよいでしょう。

婚姻関係の破綻について

 

不貞行為があったとしても、婚姻関係が破綻しているとして、損害賠償請求権を負わないとして主張してくることがあります。

このような主張は、婚姻関係が破綻している場合には、不倫慰謝料の請求ができないとの最高裁判例があるために行われることとなります。

そこで、まず婚姻関係破綻の法理についての最高裁判例についてを確認しておきましょう。

(1) 事実関係 (最高裁平成8年3月26日)

 

① XとAとは昭和43年5月1日に婚姻の届出をした夫婦。長女、長男が生まれている。

② XとAとの夫婦関係は、
・性格の相違や金銭に対する考え方の相違等が原因になって次第に悪くなっていった
・Aが昭和55年に身内の経営する婦人服製造会社に転職したところ、残業による深夜の帰宅が増え、Xは不満を募らせるようになっていった。

③ Aは、Xの不満を考慮して、独立して事業を始めることを考えたが、Xは、独立することに反対したため、昭和57年11月に株式会社に転職、取締役に就任していた。

④ Aは、昭和58年以降、自宅の土地建物を株式会社Aの債務の担保に提供して資金繰りに協力するなどしていた。

⑤ 昭和59年4月には、株式会社の経営を引き継ぐこととなり、その代表取締役に就任した。

⑥ Xは、Aが代表取締役になると個人として債務を負う危険があることを理由にこれに強く反対し、自宅の土地建物の登記済証を隠すなどしたため、Aと喧嘩になった。

⑦ Xは、Aが登記済証を探し出し、抵当権を設定したことを非難し、まずは財産分与をするように要求するようになった。

⑧ Aは、Xを避けるようになったが、XがAの帰宅時に包丁をちらつかせることもあり、夫婦関係は非常に悪化した。

⑨ Aは、昭和61年7月ころに、別居する目的で家庭裁判所に夫婦関係調整の調停を申し立て。

⑩ Xは、Aに交際中の女性がいると考え、離婚の意思もなかったため、調停期日に出頭しなかった。Aは、離婚調停を取り下げた。

⑪ その後も、XがAに関係する女性に電話をしてAとの間柄を問いただしたりしたため、Aは、Xを疎ましく感じていました。

⑫ Aは、昭和62年2月11日に大腸癌の治療のため入院して、3月4日に手術を受け、28日に退院をしたが、この間に株式会社名義でマンションを購入した。

⑬ 昭和62年5月6日に自宅を出て、Aはマンションに転居し、別居に至った。

⑭ Yは、昭和61年12月頃からスナックでアルバイトをしており、昭和62年4月頃に、客として来店したAと知り合った。

⑮ Yは、Aから妻とは離婚することになっていることを聞き、別居してマンションで一人で生活するようになったとのAの言を信じて、次第に親しい交際をするようになり、同年夏ころまでに、肉体関係を持つようになり、同年10月ころ本件マンションで同棲するに至った。

⑯ そして、Yは平成元年2月3日にAとの間の子を出産し、Aは同月8日にその子を認知した。

(2)判決の内容

 

甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、

甲と乙との婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、

特段の事情のない限り、丙は、甲に対して不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。

として、第三者が肉体関係を持った場合に、不法行為責任を負うかどうかについて、婚姻関係が既に破綻していた場合には、責任を負わないとの判断を示しました。

なぜこのようにいうことができるのかについて、けだし、丙が乙と肉体関係を持つことが甲に対する不法行為となるのは、それが甲の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為ということができるからであって、甲と乙との婚姻関係が既に破綻していた場合には、原則として、甲にこのような権利又は法的保護に値する利益があるとはいえないからである。

2 婚姻関係が破綻しているといえる場合はどのような場合か

婚姻関係の破綻の法理とは

 

破綻とは、婚姻関係が完全に復元の見込みがない状態に立ち入っていることをいいます。

しかし、実際の裁判例においては、婚姻関係の破綻をしているのかどうかについては厳格に認定がなされており、客観的な側面からみて破綻に至っているかどうかが大切な要素となってきます。

例えば、不倫が始まる時点では、夫婦関係が悪化していることが多く、不倫をした当事者からは婚姻関係の実体はなかったとの話がなされることは珍しいものではありません。

「妻とはもう夫婦関係が冷え切っている」
「家庭内別居であり、性交渉はない」
「夫婦関係は形骸化していた」

など婚姻関係が破綻しているとの話がなされることがありえます。

しかし、これらの話がなされていたとしても、不貞行為があったときに、損害賠償責任を否定するためには、主観的な要素からではなく、客観的側面から破綻を検討することとなるでしょう。

婚姻関係の破綻の有無については、当事者が破綻していたかどうかという主観的な判断ではなく、客観的な側面について下記のような事項が考慮されることとなります。

(1)別居の事実について

 

別居については、婚姻関係が破綻していたことを示す大きな要素となります。

最高裁判所での判例解説によれば、第三者が配偶者の一方と肉体関係を持った時点で、別居していた事案ですが、不法行為責任阻却の要件として、別居等の外形的事実は要求されていません。

婚姻関係の破綻の態様又は破綻に至る態様も多様であるとして、家庭内別居という事案であったとしても、破綻を肯定すべき事案は存在するとされています。

家庭内であっても、離婚している場合と同様に、日常的な接触が立たれ、会話や食事などをともにしない状況が相当期間経過し、寝室や家計も別々になされているとの事案であれば、家庭内別居であっても、破綻といえる余地があるとは考えられています。

一方で、外形的には夫婦関係があるような外観が存在するために、これらを証拠により立証することは困難でしょう。

 

(2)離婚意思の表明、離婚調停の申立て、具体的な離婚条件の協議について

 

離婚調停の申立てや離婚意思の表明については、破綻の有無を認定するうえで、有益なものとなっています。

しかし、離婚意思の表明や離婚調停の申立てがあったとしても、直ちに婚姻関係の破綻とまではいえません。

一時の感情などによって、離婚届などを出したといったこともありえます。

したがって、離婚意思の表明、離婚調停の申立て、具体的な離婚条件をどこまで夫婦間で話し合いがなされていたのかを立証することで、婚姻関係が完全に復元の見込みがない状態といえるのかどうかを示していくことになります。

(3)そのほかに婚姻関係が破綻しているのかで検討されていること

 

① 家族旅行など・家族での行事が行われていたか。

② 同じ寝室で寝ているのか、別の寝室で寝ているのか

③ 性交渉の有無があるのか

④ 家計を他方に任せているか、家計が合一にされているか

⑤ 互いの生活に関心を有していたか

⑥ 不貞に至った経緯や不貞関係を解消した経緯

⑦ 不貞発覚後も婚姻関係継続の意思を有しているか。

などが考慮されています。

婚姻関係が破綻しているのか否かについては、これまでの夫婦関係に基づいてどのような事情、証拠によって婚姻関係が破綻したのかを立証することが認められることとなりでしょう。

3 まとめ

婚姻関係破綻の法理については、様々な裁判例が存在しています。

そのため、これまでの婚姻関係と証拠をみて、どこまで証拠により主張できるのかを検討しておくとよいでしょう。

したがって、できるだけ早期に弁護士に相談し、対応策を検討していくとよいでしょう。

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